ネット広告で認知度獲得!カンタンネット献金で実現した新たな選挙戦略
参議院議員
伊藤たかえさん
編集部:
選挙活動においてネット広告(YouTube広告やバナー広告)を導入された理由について教えてください。
伊藤氏:
私は、2022年の参議院選挙の約1年前にネット広告を導入しました。しかし私は最初、ネット広告には半信半疑だったんです。
リクルートで広告マーケティングを実施していた時は、ネット広告によって認知度が高まること、そして広告の効果が可視化できることは当たり前でした。
一方、政治の世界では、戸別訪問や手配りでチラシを渡す「どぶ板」が王道だと言われてきました。けれども私は、2016年の最初の選挙戦から徹底したどぶ板で、一生懸命、必死で訴えてきたにもかかわらず、愛知県における認知度が3割しかありませんでした。
そのため、これまで通りのやり方だけではなく、それ以外のやり方でもアプローチをしないといけない!と感じ、ネット広告を導入しました。
ネット広告で見た方からの嬉しい反響
編集部:
YouTube広告やバナー広告を導入後、効果は実感されましたか?
伊藤氏:
見られている!という実感があります。
先日、地元の商店街で女性から「あの人見たことある〜!」と言われ、お話を伺ってみたところ、YouTube広告で見たとのことでした。
また別のサラリーマンの方からも、漫画アプリの広告で見て「広告の好感度めっちゃ高いです!」とも言われましたね。
私は、政治家が信頼されるためには、下記の3ステップがあると考えています。
1.認知
2.理解
3.好意
まずは認知してもらわないことには信頼を得られません。
そして認知してもらうためにはセブンヒッツ理論(※)、つまりポスターやチラシ、YouTube広告やバナー広告など、さまざまな媒体から、私を知ってもらうことが重要だと考えています。
ネット広告もあくまで私を知ってもらう媒体の一つであり、どぶ板が必要ないとは考えていません。ネット広告、どぶ板の両輪で認知を獲得したいと考えています。
※ セブンヒッツ理論とは、マーケティングにおいて、消費者が同じ広告メッセージに7回接触することで、記憶に残り、態度変容や購買行動などの具体的な行動に繋がりやすくなるという考え方です。
編集部:
以前、業務で広告を運用されていたからこそ、広告を運用できたのでしょうか?
伊藤氏:
少しは関係があるかもしれませんが、自分だけでは難しかったですね。
というのも、ネット広告については「誰に・何を伝えたい?」「どんな媒体に出したい?」などを考えた上で、いくつものパターンを作る必要があります。
選挙ドットコムさんは、私のことをよく見てくれた上でアイデアを提供してくれただけでなく、これまでの知見の提供や公選法などのリーガルチェックも実施してくれます。だからこそ、好感度の高い広告が作れたと感じています。良き理解者でもあり、伴走者でもありますね。
伊藤氏:
一方、ポスターやチラシ、ネット広告などの利用にあたって懸念となるのは費用です。
ありがたいことに私は、多くの方からご献金をいただくことで費用の一部をまかなっています。
献金をいただく前は、2つの障壁を感じていました。それが、リーガル面での障壁と「私なんかが献金をお願いしてもいいのか」という精神面での障壁です。
リーガル面においては、カンタンネット献金を活用することで、安心して献金を受けられています。
精神面においては、最初は私も抵抗がありました。しかし「えいや!」とやってみて見える世界が変わったことで乗り越えられましたね。
私自身、企業から多額の献金をもらうと、行動は自然と制限されると思います。多数の個人の方から献金をいただくことの方が民主主義だと考えています。
政治活動をしていると誹謗中傷も多く、心が折れそうになることもあります。
しかし、支援者さんやママ友、昔の同級生などから献金をいただくと、「応援しているよ!」というエールだと感じられて奮い立つことができるんです。
ラブレターのような。お金以上のものをもらっていると思っています。
編集部:
最後に、子育てと政治活動の両立について教えてください。
伊藤氏:
選挙活動における美学は、今でも「24時間戦えますか?」にあると感じています。
始発から駅に立ち、にっこり目を合わせて「おはようございます!」と挨拶。20時以降も終電まで「お仕事お疲れ様です!」と声を出し続ける人が頑張っていると言われる世界です。
このような時間的な制約があると、子育てや子どもが病気で急に学校を休まないといけないといったケア労働とはどうやっても両立できません。
だからこそ、ターゲティング広告やカンタンネット献金などの「助っ人」を活用することが、ケア労働と選挙の両立の鍵となりますね。
2024.02.08 取材