選挙必勝バイブル

地方議会議員選挙に勝つための3つの基本戦略|ポイントは複数の定数

地方議会議員選挙には定数が複数あるため、当選に必要な票を獲得しさえすれば当選できます。

これは地方議会議員選挙選挙を闘うための基本的な考え方です。

しかし「当選に必要な票を獲得すればよい」と言われても、その考え方に納得がいかない方もいるでしょう。

そこで本記事では「地方議会議員選挙で勝つための基本戦略」についてわかりやすく解説します。

※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。

地方議会議員選挙を闘う上での基本的な考え方

地方議会議員選挙は、1人しか当選しない衆議院小選挙区や首長選挙とは異なり、定数が複数あります。

1人ではなく何人も当選するというのが非常に重要なポイントです。

例えば定数が20の市議会議員選挙の場合、21人以上が立候補しているわけですから、単純計算で「投票総数の20分の1」を獲得すれば当選できます。

投票者の20人に1人があなたに投票してくれれば当選ですから、極端な言い方をすれば、投票者の20人のうち19人には無視されても好かれなくてもいいのです。

【戦略1】1/定数を目標にターゲットを想定する

当選するためには、確実に「1/定数」を取るための戦略を考えていく必要があります。

具体的には以下を軸に、複数のターゲットを想定して働きかけていくことになります。

  • 地域:地盤とする地域・自治会・町内会・商店街など
  • 性別と世代:子育て世代・女性・サラリーマン・団塊の世代など
  • 課題:学校の統廃合や迷惑施設への反対運動・待機児童の問題など
  • 政党:国政政党や地域政党の支持層など
  • 団体:労働組合や宗教団体の会員など

地域を軸に働きかけるのが一般的

活動地域を自分の出身地や居住地などいわゆる地元に限定する場合は、「その地域内での活動量を徹底的に増やし、その地域からしっかりと票を取る」というのが最も一般的なスタイルです。

自治会や町内会の推薦などを得て、その地域の代表として活動をしている議員が数多く存在します。

総務省と公益財団法人明るい選挙推進協会が共同で行った「第19回統一地方選挙全国世論調査(以下、同調査)」において、都道府県議選挙で「投票した」と回答した人のうち、現在住んでいる市区町村の居住年数が長い人ほど、投票参加率が高いという傾向がありました。

あなたがお住まいの地域が、転出・転入の少ない地域であれば、地元を固めるのはより有効と言えます。

逆に都心部など居住者の転出・転入の多い地域では、投票率そのものが低い傾向にあるため、後援会づくりと並行してポスティングなどの空中戦の比重を増やしていく必要が出てきます。

横のつながりを軸に働きかける

地域からの推薦が得られない場合は、小中高大の同級生やそのご両親、現役世代、子育て世代などの同じ年代という「横のつながり」を軸にするスタイルもあります。

この場合、活動地域は少し広く設定します。

女性候補の場合は、ほとんどの選挙区で男性より立候補者数が少ないため、同性の票をターゲットにするのもよいでしょう。

他には、賛否が分かれる社会的な課題に関して活動しているグループを地盤にする場合もあります。

これまでは学校の統廃合や迷惑施設への反対運動などがよく見られましたが、今後は待機児童やLGBTQなどの課題に取り組むグループも増えるかもしれません。

他にも政党の公認・推薦を得ることでその支持層をターゲットに活動することや、労働組合や宗教団体などの推薦を得て、組織的な支援を得る方法もあります。

【戦略2】「投票率は上がらない」と心得る

選挙の現場では「投票率を上げれば勝てる」「若い人に投票に行ってもらえたら自分が有利になる」という発言を耳にすることがあります。

特に初めて選挙に関わる方が、こうした考えを持つのも無理からぬことだと思いますが、こうした他力本願の考え方では落選するでしょう。

今後も投票率は上昇しない?

同調査によれば、投票率は年々低下の一途をたどっています。

私は今後も投票率が大きく上昇することはないと予想しています。

その理由は2つあります。

1つは地方議員のなり手不足です。

定数に対して1人か2人多い候補者しか立候補しない選挙が増えています。

そうなると選挙自体も盛り上がらず、各陣営の運動量も低下してしまいますので投票率が上がりません。

もう1つは、高齢化が加速し80歳以上の高齢者が増加していることです。

同調査による年代別投票参加率をご覧ください。

70歳代をピークに、80歳以上になると投票率が低下しています。

足腰が衰えたり自動車の運転ができなくなったりする方や、老人ホームへの入所や病気での入院により投票へ行けなくなる方が増えることなどが原因だと言われています。

日々高齢化は進み、80歳以上の方がどんどん増えていきますから、むしろ今後も投票率は下がり続けるかもしれません。

投票率が上がれば有利になる?

年代別の有権者数は地域によって差がありますが、国政選挙では18歳から39歳までの有権者が占める割合は全体の約25%です。

有権者数が少なく、かつ投票率も低いわけですから、投票者数に占める割合はさらに低くなります。

投票率については、地方議会議員選挙の1候補者・1陣営の働きかけで上がるようなものではありませんし、投票率が上がることがそのままあなたの得票につながるとも限りません。

国政の与党系候補は低投票率で有利、無所属や野党系の候補は投票率が上がると有利と言われますが、実は一概には言えません。

例えば2018年7月の新潟県知事選挙では、投票率は上がって与党系候補が当選しました。

投票率の問題についてはブログ記事(『投票率は「上がった方が有利」なのか「下がった方が有利」なのか問題について』2018年6月10日note公開松田馨執筆)にまとめていますので、ご興味のある方はご一読ください。

【戦略3】全体の投票率よりも「支持者の投票率」を意識する

当選に必要なのは以下の2つです。

1.自分を応援してくれる人を増やす

2.その人たちに確実に投票に行ってもらう

ターゲットを想定した働きかけを重ねることで、自分を応援してくれる人を増やしていきます。

これが政治活動期間の目標です。

この目標を忘れないでください。

「私を応援してください」「後援会に入会してください」「ポスターを貼らせてください」などのお願いをすることは、精神的に負担がかかることだと思います。

こうしたお願いが苦手な方や支援者の方からは「若い人に投票へ行こう!という呼びかけをしてはどうでしょうか。投票率が上がれば無所属には有利になると思います」という発言がよく飛び出します。

その理由は「投票へ行こう!」という呼びかけであれば、特定の候補を応援したことにはなりませんし、相手にも頼みやすいからです。

ですが、それでは勝てません。

辛くても、はっきりと自分の応援をお願いしていくことが当選への近道です。

選挙運動期間中は、「自分を応援してくれる人たちに確実に投票に行ってもらうこと」を目標に支持者の投票率100%を目指して運動を展開していくことになります。

選挙運動期間の動きについては第4章で詳しく説明します。

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