選挙カーでの名前の連呼は、有権者の投票行動に大きな影響を及ぼすことがわかっています。
若い世代には不人気な選挙カーですが、大きな効果を見込めることは知っておきましょう。
この記事では、選挙カーの効果や活用する際のポイント、注意点などを解説します。
選挙カーを使わない戦略についても触れていますので、参考にしてみてください。
※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。
選挙カーの活用は票につながる可能性が高い
選挙カー(選挙運動用自動車または船舶)には、あなたの顔写真と名前を大きく掲載できます。
選挙カーでの名前の連呼は集票につながる可能性が高いという社会心理学の調査論文※が発表されるなど、選挙カーの有効性が証明されています。
※参考:三浦・麻子,稲増・一憲,中村・早希,福沢・愛(2017)『地方選挙における有権者の政治行動に関連する近接性の効果:空間統計を活用した兵庫県赤穂市長選挙の事例研究』社会心理学研究・第32巻第3号
選挙カーを活用する際のポイント
❶ 前後の看板はスペースがあまりないため、姓か名のどちらかを大きく記載するなど工夫しましょう。
❷ 左右の看板にはできるだけ大きく名前と顔写真を記載します。
❸ スピーカーはできるだけ前後の角に2基ずつ設置して、左右にも音が広がるようにするのがおすすめです。
❹ 看板を照らす照明も設置しましょう。20時以降は音を出すことは禁止されていますが、選挙運動は24時間可能なため照明の点灯は問題ありません。告示前に所轄の警察署で道路交通法上の「設備外積載許可」を申請しておきましょう。
❺ 車体にも顔写真や名前、キャッチフレーズなどを記載することができます。サイズは看板と同じ制限を受けるため、2,730mm×730mm以内にしなければなりませんので注意しましょう。選挙ポスターを貼ることも可能です。ラッピングした選挙カーなどの場合、単なる装飾であれば問題ありませんが、キャッチフレーズや顔写真が入る場合は枠で囲うなどサイズ以内であることを明確に示さなければなりません。
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選挙カーについての詳細
選挙カーについての規定をまとめて確認しておきましょう。
台数 |
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規格 |
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記載内容 |
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備考 |
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選挙カーの注意点①車種選び
車種については制限があり、オープンカーやサンルーフ付きのもの、定員が11人以上のバスなどは使用できません。
看板のサイズや車体の幅・高さなど規定がありますので、早めに準備をすすめましょう。
選挙カーの規格については後ほど紹介しますので、このまま読み進めてください。
選挙カーにおいては、
- 車種をどうするのか
- 看板のデザインをどうするのか
- スピーカーなどの音響設備をどうするのか
など、細かい点で効果に差が出ます。
大型の車にした方が看板も目立ちますし、より大きな音量を出せるスピーカーを設置することもできますが、細くて狭い道に入ることができないという弱点もあります。
選挙区によりますが、細くて狭い道が多い地域では軽自動車の活用がおすすめです。
選挙カーの注意点②業者選び
選挙カーの業者選びにも注意してください。
以前に私が関わった選挙で、候補者が費用を削減するために知人に依頼して看板や音響設備を搭載してもらったことがありました。
見た目は良かったのですが、1日でバッテリーが上がってしまって音が出なくなってしまい、トラブルの対応に余計な時間を使う羽目になってしまいました。
こうしたトラブルがあると貴重な選挙運動期間を無駄にしてしまいますし、警察署への届け出なども必要になります。
経験と実績のある業者に依頼することをおすすめします。
選挙カーを使わない戦略も◎
選挙カーは若い世代には人気がありません。
特にSNS上ではとても不人気ですから、選挙カーを使わないという戦略も考えられます。
実際に過去の地方議会議員選挙において、選考カーを使用せずに当選された候補もいます。
選挙カーを使わない場合は、そのことをネット上で発信し、選挙ポスターなどにも記載するといった形で、有権者にしっかりとアピールしましょう。
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