多くの人にあなたの顔と名前を覚えてもらうためには「駅立ち」が効果的です。
けれども単に駅に立つだけでは、十分な効果は期待できません。
駅立ちを効果的なものにできるかどうかは、入念な下調べや現地調査が必須です。
本記事では、「駅立ち」の下調べや現地調査、より効果的にするためのポイントなどをわかりやすく解説します。
演説を行うかどうかや、ビラ配りのコツもお伝えしますので、あわせてご確認ください。
※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。
駅立ちの下調べ|駅や乗降客の数を事前にチェック
選挙区内に乗降客数の多い駅がある場合は、朝・夕・晩の駅立ちは必須です。
大原則に基づいて効率を高めるためには、事前の下調べと現地調査を重ねましょう。
あなたの選挙区内に駅はいくつあるのか、それぞれの駅の乗降客数や駅の出口を把握します。
駅によっては市の境にあり、出口によってはほとんど有権者が利用していない場合もありますのでご注意ください。
また、どの時間帯に利用者が多いかについては駅の時刻表と、電車の本数である程度は推測できます。
駅立ちの現地調査|実際の反応を見ながら工夫する
こうした下調べをした上で、実際に時間帯を決めて駅に立ち、
- 有権者がどの駅を使用しているのか
- どの時間帯が混雑しているのか
- どこの出口の方が有権者が多いのか
など、その時々の人の流れや客層を記録し、蓄積していきましょう。
人の流れをよく見て邪魔にならずに、かつビラを配りやすい場所や、通勤する際に目につきやすい場所などのベストポジションも把握することが重要です。
朝は一番込み合うラッシュアワーだけでなく、始発や少し早い時間帯から駅に立つようにしましょう。
通勤する方も時間にゆとりがあるのでビラの受け取りが良く、あいさつも返してもらいやすいといった利点があります。
ラッシュアワーは通勤する皆さんが急いでいますので、邪魔にならないようにアピールする必要があります。
通勤客が非常に多い場合は、「おはようございます。いってらっしゃい。勝田とおるです」といった簡単なあいさつにとどめた方が印象が良いでしょう。
コロナ禍によってテレワークや時差通勤を採用する企業が増えたことから、通勤時間にも幅が見られます。
朝の駅立ちについてはピークタイムの人数が減少している場合がありますので、駅立ちの時間を2時間〜3時間など、少し長く取るのも有効です。
また、駅立ちは朝だけではなく夕方の時間帯も効果的です。
早朝と同様に、夕方も少し時間に余裕がありますので、ビラの受け取りが良い傾向にあります。
地域によっては、夕方よりも晩や終電の時間帯を狙うといった方法も考えられます。
選挙区内に駅が複数ある場合や出口が複数ある場合は、曜日ごとに立つ駅や出口を変えて、どちらの方が反応が良いかといったことも現地調査してみましょう。
駅立ちを効果的にする2つのポイント
駅立ちを効果的なものにするには、
- 定期的に同じ場所に立つ
- PRグッズを活用する
といったこともポイントになります。
ひとつずつ説明しましょう。
ポイント①:定期的に同じ場所に立つ
現地調査をある程度重ねたら、どの駅に立つか、何曜日の何時に立つかをある程度固定し、定期的に立ち続けるのが効果的です。
人間は、特に興味のないことについては1ヶ月で約8割を忘れてしまうそうです。
逆に定期的に接触していれば記憶として定着しますので、1週間に1度は露出するようにして、あなたの存在を少しずつ有権者に覚えてもらいましょう。
これは認知心理学の観点からも有効な方法です。
「単純接触効果(ザイアンスの法則)」と呼ばれるもので、人や物に繰り返し何度も接すると、次第に警戒心が薄れて、その人や物に対しての好意度や印象が高まると言われています。
ポイント②:PRグッズを活用する
ひと目で「候補者」ということがわかるように、政治活動用のたすきをかけたり、のぼり旗を立てたりといったPRグッズの活用も忘れずに行ってください。
のぼりを設置する場合は、
- 人の流れを考えて、邪魔にならない場所に設置する
- 点字ブロックを塞がない
といったことに注意してください。
駅立ちで演説を行う?
早朝からマイクを使った大きな音量で演説をすると印象が良くありません。
基本的には、ビラを手渡しする活動を優先させましょう。
ただし、候補者が演説をしている際に、周辺でビラを配ると受け取りが良くなる傾向があります。
配布してくれるスタッフがいる場合は、時間帯を見て街頭演説とビラ配りを組み合わせて行うと良いでしょう。
駅立ちの基本活動「ビラ配り」のコツ
ビラ配りのコツは、以下の通りです。
- まずはあいさつから
- 目線を合わせて
- 声をかけながら渡す
- 手の高さにも意識を
ビラはなかなか受け取ってもらえません。
少しでも受け取ってもらえるように、まずはこちらから「おはようございます」とあいさつをしましょう。
その上で、相手に視線を送ります。
なかなか目線を合わせてはもらえませんが、相手からすれば視線を向けられていることは伝わるものです。
視線を送った状態で「◯◯です、よろしくお願いします」と声をかけながらビラを渡しましょう。
ビラを渡す際は、歩いている相手の手の高さに合わせて、取りやすいように差し出すのがコツです。
コロナ禍では接触を嫌がる人が多いことから、
- 手袋をして配布する
- ビラ置き場を作ってそこから取ってもらうように促す
などの工夫をする陣営もありました。
最初は、ビラの受け取りが少なくて落ち込むこともあるかもしれませんが、ここで紹介したコツを意識して繰り返しやってみてください。
駅立ちについてのまとめ
- まずは下調べをする(駅の乗降客数、出口、時刻表など)
- 朝・夕・晩の様々な時間に立つ
- コロナ禍の影響を見極める
- 効率の良い場所と時間帯を把握する
- 身だしなみを整える
- PRグッズを忘れずに(たすき、政治活動用ビラ、のぼり旗)
- 街頭演説は時間帯やスタッフの配置によって検討する
- 駅や出口を限定して、週に1回は同じ場所に立つ
- 駅立ちした際の記録(反応やビラの配布枚数など)をとる(→選挙カーのルート作成に役立てる)
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