「多少の選挙違反なら問題ない」
「当選すれば選挙違反があっても逮捕されない」」
このような話を聞いたことはありませんか?
しかしこのような話が真実であるはずはありません。
「違反をすれば厳しく取り締まる」というのが警察のスタンスです。
本記事では、「選挙違反に関するよくある誤解」や「実際に検挙された選挙違反」についてお伝えします。
※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。
選挙違反に関するよくある誤解
「当選すれば多少の違反をしていても逮捕されることはない」とうそぶく選挙関係者がいますが、これは完全に勘違いです。
当選後に公職選挙法違反で逮捕・起訴され有罪が確定した事例は、国政選挙でも地方選挙でも枚挙に暇がありません。
選挙違反を取り締まるのは所轄の警察署の捜査第二課が担当します。
私は、県警の刑事部捜査第二課で長年選挙違反を取り締まってこられた警察OBの方に、「当選すれば逮捕されない」という都市伝説についてお話を伺ったことがあります。
その方は「当落に関わらず違反は厳しく取り締まる。違法な行為をした候補が当選して幅を利かせるようでは選挙の公正が保てないので、当選した候補陣営の買収などは特に見逃さない」とはっきりおっしゃっていました。
他にも「選挙管理委員会からの注意や警告で止めておけば逮捕されることはない(だから多少の違反は問題ない)」という話も、現場でよく出る勘違いの一つです。
選挙管理委員会と警察は、一定の連携はしていますが別組織で役割も異なります。
サッカーの「イエローカード2枚で退場」のようなルールは選挙にはありません。
買収などの悪質な違反に関しては選挙管理委員会からの注意や警告はなく、選挙後に突然警察に逮捕されるのが一般的です。
選挙の結果に影響を与えないよう投票日までは内偵にとどめ、投票日の翌日から事情聴取や逮捕などを行うのです。
「これまで捕まったことがない」は通用しない
私は全国各地の選挙に関わってきました。
現地で「選挙に詳しい」と言われる方の中には、公職選挙法の条文を読んだこともなく、ご自身の経験から「なんとなく」で判断をされている方が多数いらっしゃいました。
私が公職選挙法に基づいて違反の可能性を指摘すると「うちの地域はこの程度の違反では捕まったことがないから大丈夫だ」と返答されることもあります。
公職選挙法に違反しているかどうかと、これまで逮捕されなかったかどうかは全く別の話です。
統一地方選挙の2ヶ月ほど前になると、都道府県警には「統一地方選挙違反取締本部」が設置されます。
警視庁では約2,000人体制で違反の取り締まりをしていますが、警察官の人員には限りがありますので、全ての違反を取り締まりできるわけではありません。
例えば、車を運転中に一時停止を無視したとしても、警察の取り締まりがなければ違反に問われることはありませんよね?
選挙違反で「これまで捕まっていない」というのは、それと同じことなのです。
候補者自身が選挙違反で有罪になったときは、基本的に当選は無効になります。
当選を果たし政治家として活躍するためにも、絶対に選挙違反をしないよう注意して活動してください。
実際に検挙された選挙違反
実際に検挙された選挙違反を見てみると、買収が最も多いことがわかります。
この買収には、選挙人を買収する「投票買収」と選挙運動員を買収する「運動買収」の2つがあります。
近年は「票を金で買う」投票買収は減少していますが、運動買収で検挙される事例が増えています。
運動買収は非常にわかりづらい違反のため、〈第2章運動買収についてp.55〉で詳しく解説します。
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