証紙ビラは、多くの有権者に届けられなければ意味がありません。
投票行動に結びつけるには、できるだけ多くの有権者に証紙ビラを見ていただけるよう、効果的に配布することが求められます。
どのように配布すれば良いのかを検討し、効果を高められるよう工夫が必要なのです。
そこで本記事では、「証紙ビラ」を配布する際のポイントを解説します。
証紙ビラの効果を高めるためにも、ぜひ参考にしてください。
※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。
証紙ビラの注意点|ポスティング・郵送は不可
証紙ビラ(選挙運動用ビラ)は、ポスティングや郵送ができないという制限があります。
また、街頭では「街頭演説の場所」でのみ配布が可能です。
街頭演説は朝 8 時から晩 20時までしか認められていないため、証紙ビラの配布も必然的にこの時間帯に限られます。
多くの有権者が利用する駅やスーパーが複数ある選挙区であれば、手配りである程度の枚数を配ることが可能ですので、できるだけ直接手渡しでビラを配布することをおすすめします。
ただ、そうした場所があまりない選挙区では、新聞折込を活用することになるでしょう。
証紙ビラの配布に新聞折込を活用する場合
新聞折込を少しでも有効に活用するためのポイントは「どの新聞か」「どの地域か」という2 点です。
ポイント①どの新聞を選ぶか
まずどの新聞を選ぶかですが、興味深い調査があります。
報道系ベンチャーの JX 通信社が、2018 年 6 月 23・24 日の両日に実施した東京都内での世論調査の中で、各新聞の読者ごとに当時の安倍政権の支持率をそれぞれ調査したところ、産経新聞読者の安倍政権支持率は「72%」東京新聞読者は「14%」という結果が出ました。

総理大臣が変わっても、自公政権下では大きな傾向に変化はないと思いますので、例えば自民党の公認・推薦候補であれば産経新聞に折込を、野党系の公認・推薦候補であれば朝日新聞や東京新聞に折込をするのが有効だと考えられます。
また、維新の会などの「身を切る改革」や行財政改革を強く訴える候補であれば、日経新聞の読者からの支持を集めやすいかもしれません。
ポイント②どの地域を選ぶか
2 点目の「どの地域か」については、地盤とする地域に折込をする、特定の政策への関心が高い地域に折込をするといった戦術が考えられます。
新聞折込を活用する際の注意点
そもそも新聞購読層は年齢が高めです。
折込用のビラは文字を大きくする、高齢者向けの政策を強く打ち出す、なども有効でしょう。
新聞折込は実際に有権者の目に触れる確率が決して高くないため、ターゲットに合わせたアプローチを工夫し、少しでも効果を高めていくことが大切です。