選挙で当選するには、適切な戦力配分を考えることが必要です。
それに加え、運動の質や運動の量を高め、確実に1票を生み出すことも求められます。
そこで本記事では、「地方選挙における戦力配分」や「1票を生み出すために必要なこと」などを解説します。
地上戦と空中戦、ネット戦のポイントもご紹介しますので、参考にしてください。
※本記事は、選挙プランナー松田馨氏の著書『地方選挙必勝の手引(増補改訂版)』(2022年9月30日発刊)の内容を、許可を得たうえで使用・引用しております。
地方選挙における戦力配分
選挙は、よく戦争に例えられます。
あなたも、地上戦・空中戦などの言葉を耳にされたことがあるかもしれません。
ネット選挙運動の解禁にともない、ネット戦という第3の戦場も登場し、コロナ禍によってその重要度は高まりました。
地上戦・空中戦・ネット戦の概要と具体例は以下の通りです。
説明 | 具体例 | |
地上戦 | 1対1の対面や、特定の団体などに対して直接働きかける行為 | あいさつ回り(訪問活動)組織団体への推薦依頼ミニ集会などの少人数集会など |
空中戦 | 多数の人を相手にした活動 | 駅立ち街頭演説ポスティングなど |
ネット戦 | インターネットを活用した活動 | ホームページSNSなど |
限られた時間や人数、予算をどの戦場にどれだけ配分するのか、私も毎回の選挙で頭を悩ませます。
地方議会議員選挙において、あなたの時間や予算、スタッフの人手をどこに費やすべきか、人口10万人規模の市議会議員選挙を想定したひとつの参考値をお示しします。
地方議会議員選挙では基本的に地上戦の重要性が高くなります。
当選に必要な票数が少ないため、地道に活動すれば当選に必要な票数以上の人と直接会って握手をすることができるからです。
人口が少なく、当選ラインも低い「町村議会議員選挙」であれば、地上戦の比重はさらに高まります。
当選ラインが3,000票を超える「都道府県の議会議員選挙」や「政令指定都市の議会議員選挙」においては、空中戦やネット戦の割合がもう少し高くなり、「首長選挙」においては、空中戦の比重がより大きくなり地上戦の比重が下がっていきます。
以下に、選挙ごとの戦力配分の目安を示します。
都心部なのか、過疎地域なのかといった地域の特性にもよりますので、あくまで参考値のひとつとしてお考えください。
1票を生み出す計算式
1必勝の極意において、候補者自身が三バンを創り上げていく重要性をご説明しました。
三バンを創り上げていくためにも、最終的に1票を生み出すためにも必要なものは「運動の質×運動の量(運動員数×時間)」です。
運動の「質」とは?
駅立ちを例にご説明します。
運動の質を左右する要素として、
- 駅のどの場所に立つのか
- どの時間帯に立つのか
- PRグッズをどのように活用するのか
などがあります。
ここで「質の高い駅立ち」と「質の低い駅立ち」を具体的に見てみましょう。
【質の高い駅立ち】
- 時刻表を調べて効率の良い時間帯を把握している
- 人の流れを調べ、ビラを受け取ってもらいやすい場所に立っている
- 身だしなみをきちんと整えている
- 遠目でも目立つようにのぼり旗を置いている
- たすきをかけ、候補者とスタッフの見た目を分けている
- 元気よく愛想よく「おはようございます」とあいさつしている
- 顔と名前の記載された政策ビラを配布している
- 2、3人以上のチームで立っている
【質の低い駅立ち】
- なんとなく7時から立っている
- 乗降客が少ない駅にぼーっと立っている
- 髪型、服装などに清潔感がない(髪の毛がボサボサ)
- のぼり旗もなく目立っていない
- たすきもなく候補者なのか分からない
- ビラも配布していないので候補者名が分からない
運動の質を高めるためには、事前の情報収集が必要です。
これはインターネットで検索することで得られるものもありますが、多くは自分で選挙区を歩いて、調べ上げていく必要があります。
言うなれば現地調査です。
また、PRグッズのクオリティ(写真やデザイン、文字の読みやすさ、インパクトなど)も高ければ高いほど効果があります。
運動の質を高めるポイントとして、以下の点を念頭に置いておくとよいでしょう。
- 地図を購入する(ゼンリン住宅地図がおすすめ)
- 名簿を整理する
- 基礎自治体としての特徴を把握する
- 各駅の乗降客数を確認する
- 複合商業施設やスーパーの特売日をチェックする
- 交通量の多い交差点を調べる
- PRグッズのクオリティに注力する
運動の「量」とは?
1日は24時間しかありません。
運動の総量を増やしていくためには、一緒に活動してくれる人を増やすしかありません。
以下、活動してくれる人を増やすためのきっかけづくりの例です。
- 頼み込む(熱意を持って、3回ないし4回)
- スマホのアドレス帳やSNSの友達リストから探す
- 年賀状をやり取りしている人から探す
- 同窓会名簿から探す
- 地域で依頼できる人探す
- 会社や団体を軸に探す
1日のタイムスケジュール
政治活動期間中の1日のタイムスケジュール例をご紹介します。
朝6時から人の流れを見て8時か9時頃まで駅立ちや辻立ちを行います。
その後、事務所に戻って活動の準備をし、日中は街頭活動やあいさつ回りをします。
18時頃から夕方の帰宅者を狙った駅立ちやミニ集会を行い、20時頃に夕食や事務所でのミーティング。
21時頃に自宅に戻ってブログやSNSを更新するという流れです。
夜には会食が入ることもありますし、終電で帰ってくる帰宅者を狙って、23時頃から1時間ほど立つ方もいらっしゃいます。
自宅でゆっくりできるのは1日数時間程度です。
睡眠時間が短くなってしまうので、日中に昼寝の時間を取るなどして体調管理をしていきましょう。
土日は駅立ち・辻立ちの時間帯を少し遅くし、日中は家族連れの多い大型スーパーの近辺での街頭活動や、共働き世帯などが多い団地にあいさつ回りをしていくとより効果的です。
LINE公式アカウントへ特別にご招待【政治家・立候補予定者限定】
いかがでしたでしょうか。ポスターやチラシを中心とする従来型の選挙・政治活動に加え、近年急速に重要性が増しているのがネット選挙対策です。
私たち、選挙ドットコムは日本最大級の選挙・政治家情報サイトとして、日本全国各地の選挙の最新情報を常に収集・分析しており、最新のネット選挙に関するノウハウや情報を蓄積しております。
この記事をお読みいただいた、現職の政治家の方、新人や元職の立候補予定者の方々限定で、選挙や政治活動の実戦的なノウハウや最新ネット選挙のデータをご共有させていただくために、LINE公式アカウントを開設いたしました。
ぜひ、以下のリンクからLINE公式アカウントに登録いただきたいです。
今後とも選挙ドットコムとボネクタをよろしくお願いいたします。